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公開日:2019年11月5日

小中学生の近視による失明の恐れ

先ごろ、慶応大学の研究グループが子どもの近視の実情を調査し、東京都内の小中学生1,416人を対象に行ったところ、小学生689人のうち76.5%が、中学生のうち94.9%が近視であると報告しました。
特に中学生の1割である72人が強度近視と判明しました。

強度近視になると将来失明するおそれが高まり、慶応大学の坪田一男教授は「日本には、子どもの近視に関するデータがあまりなく、十分な対策が行われていない。これは国家のレベルで検討すべき問題で、早急な対応が必要である」と強い懸念を示しています。

近視の仕組みと現状

近視の子供

近視は、眼球の形が前後に長くなり、遠くの物体を見たときにピントが網膜よりも前であってしまい、物体がぼやけて見える状態のことです。
強度近視になると、物体を見るとき、裸眼で17センチほどまで近づけないとクリアに見ることができません。

また、長くなった眼球が目の奥の網膜などの組織を引き伸ばしたり圧迫したりして傷つけてしまい、将来的に緑内障や網膜剥離など、失明の恐れのある病気になる可能性が高まります。

子どもの近視は増加しているだけでなく、低年齢化の傾向もあります。
外遊びの時間の長い子供のほうが、発症率が低いという研究結果も出されており、野外活動の減少が近視増加の一因ともなっています。

3年前、オーストラリアなどの研究グループの行った発表によると、2050年には、「世界の人口の半分である48億人が近視になる」・「人口の10分の1にあたる9.4億人が強度近視になる」との予想もあり、WHO(世界保健機構)も強い危機感を示しています。

このため、近視を減らすための施策が世界各国で行われています。

近視に対する海外の取り組み

屋外活動の時間

近年の研究により、1日2時間の野外活動を行っている子どもは、スマートフォンやパソコン、勉強により作業画面を見続けている時間が長くても、近視が抑えられるという結果が出ています。
太陽光に近視抑制の効果があるとされています。
そのため台湾では、2013年から1週間に150分の野外での体育授業を実施したり、理科の授業においても植物の観察など野外で行ったりと、外に出るような授業内容を促進しています。

また、太陽光の浴びている量や時間を計測するセンサーを、子どもの首元にもつけている学校もあります。
台湾では、20歳以下の8割が近視という状況ですが、このような取り組みの結果、7年間で視力が0.8未満の子どもが5%以上減ったということです。
台湾教育部の彭富源署長によると、「屋外活動の時間をしっかり作ることで、視力低下のスピードを抑制することができる。予算もあまりかかっておらず、また子どもたちも喜んでいるので、効果的である」とのことです。

近視に対する国内の現状

対応が遅れる日本

都内の眼科医院で診断を受けた子どものうち、およそ10人に1人が強度近視か、もしくはそのおそれがあるとされています。
強度近視である小学4年生の男の子は、眼鏡をかけていないと10センチ先でさえぼやけており、裸眼での視力は両目とも0.1以下でした。
将来的には、網膜剥離になる可能性もすでに病院から示唆されています。
男の子の母親は、「失明する可能性がないわけではない、という説明をされました。
定期検診などで目の状態を確認するなど、やれることはしたいですが心配です」と話していました。

日本ではまだ、近視、もしくは予備軍の子どもが全国にどれほどいるのかという調査も行われていません。
文部科学省では、子どもの視力の低下が、運動、勉強や読書、ゲームにあてている時間などが関係するのかを調査している段階です。
文部科学省健康教育・食育課の平山直子課長は「近視は非常に重要な問題だと認識している。調査の結果から来年度には方策を決め、各家庭や学校に周知徹底していくなどの対策を急ぎ進めていきたい」としています。

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